食後にお腹が張る・ゴロゴロする|それ過敏性腸症候群かも?論文から分かった本当の原因と腸活法

「お腹が張る」
「急に下痢になる」
「食べるとお腹がゴロゴロする」

病院で検査をしても「異常なし」と言われるのに、つらい症状が続く。
そんな過敏性腸症候群(IBS)に悩む方は少なくありません。


世界では約4〜10%の人がIBSを抱えていると報告されています。
そして多くの人が、「食事をすると症状が悪化する」と感じています。

ではなぜ、食事で症状が変わるのでしょうか?

近年の研究では、IBSの背景に
腸内細菌と消化酵素の問題が関係している可能性が示されています。

今回は、2026年に医学雑誌に掲載された研究をもとに、
IBSの本当のメカニズムと腸活の可能性について解説します。


腸活薬剤師
小山裕美 先生


薬剤師歴10年/元管理薬剤師/年間5,100名を服薬指導
腸内フローラ解析士/西洋・東洋医学両方の知識がある薬剤師
「仕事・美容・人生のパフォーマンスを最大化する腸活薬剤師」として、腸内環境を科学的に解析し、データに基づいたアプローチで、美肌&体質改善へと導く最適な腸活プランを提供。
自身の辛い経験から、腸を整えることでさまざまな悩みが改善したことから、「働く女性の助けになりたい」と企業での管理職を辞し退職。腸活を専門とする薬剤師として独立



なぜIBSの症状が起こるのか

2026年に発表された研究では、IBS患者の小腸を調べ、
炭水化物を分解する消化酵素の働きを測定しました。

対象となった酵素は以下の4種類です。

・ラクターゼ(乳糖を分解)
・スクラーゼ(ショ糖を分解)
・マルターゼ(麦芽糖を分解)
・グルコアミラーゼ(デンプンを分解)

結果は非常に興味深いものでした。

IBS患者では、これらの酵素活性が健康な人より低下していたのです。

つまり、小腸での炭水化物の最終消化がうまく行われていない可能性があります。

消化されなかった糖質は小腸で吸収されず、大腸へ流れ込みます。
すると腸内細菌がそれらを発酵させ、ガスを発生させます。

その結果

・お腹の張り
・腹痛
・腸のゴロゴロ
・下痢

といった症状が起こると考えられています。



さらに近年の研究では、腸内細菌のバランスの乱れや腸のバリア機能の低下なども、IBSの発症に関わる可能性が指摘されています。

つまりIBSは単なる「ストレスの病気」ではなく、
消化・腸内細菌・腸の機能が複雑に関係した疾患と考えられるようになってきています。


IBSは腸活で改善できるのか

では、この問題はどうすれば改善できるのでしょうか。

今回の研究では、IBS患者に対して
Low FODMAP食(低フォドマップ食)を2ヶ月間実施しました。

FODMAPとは、

・発酵しやすいオリゴ糖
・二糖類
・単糖類
・ポリオール

と呼ばれる糖質のグループです。

これらは腸で吸収されにくく、腸内細菌によって発酵しやすい特徴があります。

例えば

・小麦
・玉ねぎ
・豆類
・乳製品
・一部の果物

などに多く含まれます。

これらの食品を一時的に減らすことで、腸内発酵を抑えることができます。

実際に研究では、2ヶ月の食事介入の結果、消化酵素の活性が改善しました。

特に

・ラクターゼ
・スクラーゼ

は活性が有意に増加していました。

さらに症状にも変化が見られました。

患者の

・膨満感
・下痢

が有意に減少したのです。

つまり、食事によって

腸の負担が減る

消化酵素が回復する

未消化の糖質が減る

腸内細菌の過剰発酵が減る

IBS症状が改善する

という流れが起こる可能性が示唆されました。

これはとても重要なポイントです!

IBSの症状は「我慢するしかない」と思われがちですが、
腸内環境を整えることで変えられる可能性があるということです。


まとめ


今回の研究から見えてきたのは、
IBSの背景には

・消化酵素の低下
・未消化糖の増加
・腸内細菌の発酵
・腸のバリア機能の乱れ

といった腸内環境の問題が関わっている可能性です。

そして食事を調整することで

・消化の負担を減らす
・腸内発酵を抑える
・腸の機能を整える

といった改善が期待できます。

もし

「お腹の不調がずっと続いている」
「食べるとお腹が張る」
「IBSと言われたけどどうすればいいか分からない」

そんな方は、まずは腸内環境の視点から体を見直してみることが大切です。

腸は、正しいアプローチをすれば変化していく臓器!
症状をあきらめず、自分の腸と向き合っていきましょうね。

参考文献:

Terapevticheskii arkhiv. 2026 Mar 07;98(2);99-104. doi: 10.26442/00403660.2026.02.203542.

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